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June 09, 2009

五線譜の普遍性に残された課題

 譜面(五線譜)に書き込める要素としては、以下があります。

1. 拍子(何ビートか)
2. 音の出るおおまかなタイミング(符割)
3. 音の高さ
4. 強弱のおおまかな変化
5. 速さのおおまかな変化
6. 全体の構成(できごと)

 五線譜は、西洋音楽の記述には非常によくできたフォーマットですが、これを的確に運用するには、書き手、読み手とも、かなりの技術がいります。

 音の世界を視覚に訴える方法で表現するわけだから、
1. 書き手が正確に表現できるのか
2. 読み手が正確に受け取れるのか
 という問題が常にあるからです。

※読み手が受け取った情報を正確に表現(演奏)できるかどうか、という点は、読み手の演奏技術にかかわることだから、ここでは問題にしないことにします。

 また、ジャンルによっては、五線譜に書かれた音符以上に、音楽のコンセプトやルール、時にはプレイヤーの個性を重視する場合があります。

 おおきくわけて以下の場面があるからです。

1. ある種のローカルルールに基づいた即興的な表現が許される場面
2. 音符の羅列による物理的な拘束が厳しく、ほぼ即興性が犠牲になる場面

 ジャズはもちろん、タンゴもファドも「即興性」は演奏表現上、鍵になります。
 「演奏表現への理解ありき」「ジャンルの共通理解ありき」な音楽だからです。

 これを踏まえたうえで考えると、
「どのような譜面の記述の仕方がローカルルールを越えた的確な演奏表現を(そこそこ)可能にするのか」
が今後の課題です。

 よく譜面集(タブ譜)に参考CDがついてるものがありますが、あれは、使用者にローカルルールを教え込むためのものともいえます。譜面情報は指の位置情報にすぎないと割り切った点で、ひとつの究極の方法です。

 個人的に記述上よくできてるなと思うのは、ローラン・ディアンスが書いた五線譜です。
 あのくらい編曲の内容を絞り込んで記述を明確にしたら、弾き手にとって価値が高い譜面になりますね。書き手のディアンスの技術ですね。

※注意
 ジャンルを構成するローカルルールを「身につけよう」とする人は、達人の演奏を見聞きし、徹底コピーするなりして勉強しましょう。書いてあることから情報を推測して読み取るのと、「聴く」という一次情報を自分に取り入れて身につける、というのはまったく次元の違う別の作業です。身につけた人は「書き手側」になりえますが、身についていない人は「読み手側」にしかなれません。
 
 

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