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July 31, 2008

エチュード研究「タルレガ35のエチュード」 no.20

「タルレガ35のエチュード」 no.20。

 今日は、no.20ですが、わたしも、「1回はノーミスで最後まで確信をもって弾けた」という基準をクリアしてから、これまでの記事を書くようにしてきました。
 確信がなければ、何度弾いても効果はあがりませんが、確信をもって弾ければ、100回でも理屈上はノーミスで弾けるはずなんです。
 弾く事自体にたいへんなストレスを感じるようであれば、それは基礎技術の不足を意味します。

 no.20は、
1. 大きくは、3/4拍子を感じながら
2. 8分音符を3分割した3連符をリガードで表現する
という曲です。

 全体を把握するには、3/4の1拍が6分割(前半後半3つづつ)されていると感じながら弾くのが効果的です。「8分音符=かくれた3連符で表現された音符」だからです。
 つまり、1拍=3連符が2個、と感じるわけです。

 ポジション移動はすべて、1弦開放をからめていますから、あせらなくても正確にできるはずです。どこに着地すべきかを考えながら弾くのでは遅いので、行き先の情報は先取りしながらいきましょう。

※ 3連符の正確なリガードが難しいと感じたら、リガードの基礎練習にもどればいいです。

※ テンポはゆっくりでいいから、正確にいきましょう。


 

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July 29, 2008

ギター教室 330

 ギター教室の話題。

 リズム感の悪い人のリズムをどうやったらよくすることができるのか、、、、考え続けています。日本人でリズムが悪い人は、わたしの知る限り全員、ダウンビートとアップビートの感覚がないです。全ての音を、ダウンビートとして処理してしまうようです。

 パターンを正確に歌うことで表裏の感覚に慣れさせる。休符のもつビートに気付かせる。など、さまざまに「こちら側」からの提案はあるんですが、そもそも、できない人にとって、「こちら側の提案」は苦痛なものでしかないだろうというのも察せられます。

 みんな頭で理解はできるんですが、実際の演奏はしっくり考えながらなんてできませんからね。身につけた感覚、勘が頼りです。

 ただ、「まったく無頓着に奔放にインチキな演奏をしてしまう人」と「できないなりに努力してみた人」の演奏では、ずれてるにしろ説得力に違いはあるなと感じます。がんばったから説得力がある、という短絡的な話ではないでしょう。できないなりにビート感の感じられる演奏になっているのかどうかがポイントです。

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エチュード研究「タルレガ35のエチュード」 no.19(その4)

「タルレガ35のエチュード」 no.19、4回目。

4小節目:
2個目Cと3個目E#はポジション移動なしで当然いける音ですが、異なる弦にいかないといけないので、多少フォームが縮みがち。少し、拡張気味にしてちょうどいいところにおさまる感じです。

 これ以降に出てくるポジション移動は、比較的簡単ですが、それならなおさら目視に頼らずに的確に移動できるようにしないといけません。とすると、6小節目最後のポジション移動を目視でなく正確にするには、「腕をどのくらい動かすと目的地に到達できるか」をしっかり身につけておかないといけないですね。

 ポイントを押さえて計画していけば必ず弾ける練習曲です。だから、ただ弾ければいいのではなく、ここから、一般化できる技術を整理して身につけておくことが大事。これこそが練習の意義です。

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July 28, 2008

エチュード研究「タルレガ35のエチュード」 no.19(その3)

「タルレガ35のエチュード」 no.19、3回目。

 1~3小節目までの難所はポジション移動です。移動前にどういうフォームになっているかによって、目指すべき位置までの距離が決まります。
 「どの程度移動するのかの指標」を数値的にはっきりさせ、それを「身体で表現するとどんな感触になるのか」を体験し、100発100中成功するというのはどういうことなのか学習することが重要です。

例は以下のとおりです。
1小節目:
8個目のBから9個目D#へのポジション移動は、わたしの場合「指2本分」(≒2フレット移動)。3小節5個目Bから6個目D#への移動も同様。
2小節目:
11個目F#から12個目A#への移動は、「指1本分」(≒1フレット移動)。


 運に左右されるようなものは技術とはいえません。逆にいえば、技術は正しく練習すれば身につきます。
 ただし、正しさを判断するのには一定の難しさがあるとは思います。判断には一貫性が必要だからです。

 判断に一貫性がないと例外だらけのつぎはぎの技術になってしまいます。こうなると、まず実用になりません。人間は無数の例外をコントロールできるほど器用ではないからです。運にたよる演奏しかできないことになります。
 判断に一貫性をもたせるのは、「演奏原理」です。
 ということは、「演奏原理」を知ること、納得することが技術を獲得するためにもっとも重要なことであるといえます。
 
 

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July 25, 2008

エチュード研究「タルレガ35のエチュード」 no.19(その2)

 「タルレガ35のエチュード」 no.19の2回目。

1小節目:

1. スラーのついている音の組で区切って感じないようにするため、3連符の最初の音を「長く」感じるように弾きます。ビート感をしっかり感じるには、有効な方法です。

2. 8個めの音で、ポジション移動が入りますが、このポジション移動でフレーズが区切れるわけではありません。これはギターの物理的な制約上、やむを得ず入るポジション移動です。注意しましょう。

3. たたいて出すスラーの場合、たたいたら前の音を押さえている指は、離したほうがよい場合もあります。たとえば、6個めのF#からGをたたいて出すところ。F#の2指を離してなおかつフォームが崩れない(縮みすぎない)ようにしないと、8個めのBが不完全になりやすいし、9個目のポジション移動が難しくなります。
 1小節目は、ここが一番難しいところです。


 この曲が弾ければいい、というのではなくて、汎用的に使える身体の使い方をマスターしないと時間をかけて練習している意味が半減してしまいます。実用になる練習方法を考えていきましょう。

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July 22, 2008

エチュード研究「タルレガ35のエチュード」 no.19(その1)

no.18、19あたりは難易度がだいぶ高いと感じます。
ポジション移動とフォームの切り替えが連続してでてくるので、そこをしっかりしないと弾けないからです。

今日は、no.19について。
1回で話を終えるには無理があるので、何回かにわけて見ていきます。

まず、全体的な「リズム」の話です。

1. 3連符が4つ(合計12個の音)の4/4拍子
 これをしっかり表現できないといけません。
 スラーの雰囲気からくる「音型」だけを頼りに弾こうとすると、「3連符が4つの4/4拍子」とずれた16個一組のパターンが浮かび上がってきます。しかし、この方法で感じとると、16分音符16個の4/4拍子で書かれた曲というになり、まったく異なる心臓部をもった曲ということになってしまいます。

 「3連符=長さが均等の3つの音の連なり」と機械的にとらえるなら、どう弾こうが同じ結果になるはずですが、4/4拍子の「ビート」とからめて考えると、この曲に出てくる3連符は先頭の音がダウンビートということになりますので、アクセントをともないます。

2. アクセントの表現
 「長さ」のコントロールによってします。
 3連符の先頭の音がスラーで出す音であるので、そのアクセントを「強さ」でしようとすると無理が生じます。

3. 本質的なビート感を正しく感じとるようにしましょう。
 この手の曲は苦手とする人も多いと思います。編者の小山先生の解説にもそこらへんを考慮して「16個一組で感じて弾く方法もアリとしましょう」的なことが書かれていますが、あくまでもそれは「感じ取れない人用」の譲歩した話です。
 この曲から受け取るべきタルレガのメッセージは、「指の癖でビートを感じてはいけませんよ」という点にあります。

 

 こうしたエチュードは面白いから弾くとか、好きだから弾くという類のものではありません。基本条件を満たしたギタリストになるための必須科目だと思ったほうがいいです。

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July 10, 2008

エチュード研究「タルレガ35のエチュード」 no.18

 日々続けることにしている「タルレガ35のエチュード」 。今日はno.17です。

 前半は「単音」のスラーの練習です。難しいのは、5フレット拡張してたたくところ。指が伸びてしまうのは仕方ないので、「しっかり関節を固めて、弦をたたく」ことがうまく音を出すコツです。

 後半は、1弦と2弦の2音を同時に鳴らして、1弦だけひっかくというギターらしい技の練習です。2弦をおさえる指が1弦に触れてしまうと1弦の音がとまってしまいますので、触れないように弾かねばなりません。そのためにはどうしたらいいか、考えましょう。やみくもに練習してもだめです。音がうまく出るかどうかは、左手のフォームで決まります。各リガードの直前のポジション移動は、毎回1弦開放が鳴っている間にできますの「その間に左手をいい形で着地させる準備をいかにするか」が勝負です。

 まず、各リガードがうまくできるフォームを確定させましょう。次に、ポジション移動の間に、そのフォームを作る算段を練習するとよいです。

 最後のほうの1弦4フレットと2フレット間のリガードが難しいです。でもフォームさえ決まれば弾けます。

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July 09, 2008

Ralph Towner

 わたしの好きなギタリストの紹介。

 JAZZの即興性とクラシック的に構築された作品性が融合したもの。Ralph Townerは、それを高い技術と音楽性で表現しているギタリストです。技術的にはクラシック奏法ですね。頭の中には、おおざっぱに言って、縦軸にJAZZ、横軸にクラシック、みたいな二次元的広がりがあります。

 音楽は、一般に、リスナーにとっては嗜好品なので、好き嫌いが分かれます。でも、わたしは、究極的には、好き嫌いで判断されるような要素に頼らない音楽をしたい。音楽家は、「みんながまだ知らない、好き嫌いで判断できないような素晴らしい世界を体験させてあげる」存在でなければいけません。だから、よりどころは高い技術でありコンセプトです。

 Ralph Townerの音楽は、そういう基準を満たしている音楽です。わたしはRalph Townerの音楽は大好きです。けど、仮に嫌いであったとしても彼の高い技術とコンセプトは認めます。だから尊敬に値するのです。
 そういう音楽家はわれわれの模範です。

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July 08, 2008

エチュード研究「タルレガ35のエチュード」 no.17

 「タルレガ35のエチュード」 no.17。

 いよいよリガード(左手でたたいたりひっかいたりして音を出す方法)の課題。
 どれだけレガートに弾けるかが勝負です。レガートに弾くというのは、音がぶつ切りにならず、隙間がなく埋まっていることです。

 リガードの部分を隙間なく埋めるのはそんなに難しくないです。正しくやれば自動的につながるから。リガードの難しさは、左手だけで音を出す部分のリズムキープでしょう。フレーズが崩れないよう的確なタイミングでたたいたり引っかいたりしないといけない。右手の役割を左手が担わなくてはいけないところにポイントがあります。

 リガードでなく普通の奏法で弾く部分をレガートに弾くのには、左手の不要になった指を離すタイミングに工夫がいります。

  5小節目の1弦ハイポジションでのポジション移動は難しいです。最初から5小節目をつなげて弾けるテンポに全体のテンポを設定して練習したほうがいいです。
 15小節めのポジション移動(開放弦がらみ)は、1弦開放を弾く直前に移動開始するようなつもりでちょうどいいです。遠い位置に移動するからといってテンポを揺らしていいというわけではありません。リズムを正確に弾かないと練習の意味がなくなります。レガートに聴こえるぎりぎりのところでポジション移動を開始すれば、リズムをキープしたまま弾けます。

ポイントは、
1. リガードに必要な指(下降スラー)は、リガードする直前までに押さえる。
2. 不要になった指は離してもよい。離して、次の準備をする。

 この曲の難しさは、「休符なし」で音がつまっているところです。それは、リズムを崩さないで弾くために何が必要か?について考えさせる大きな要素です。そういうねらいで作ってあるんですね。

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July 07, 2008

エチュード研究「タルレガ35のエチュード」 no.16

「タルレガ35のエチュード」 no.16。

 これはno.12と中身はまるっきり同じです。全音下げたもの。
 no.15の練習で6弦をDに下げたついでに、あわせて練習しておけばよいでしょう。

 ところで、no.16は、右手の指使いの指定もしてありますね(no.12にはなかった)。imの組み合わせだと簡単でも、maの組み合わせだと慣れないと難しいです。maの練習として弾くのもいいですね。

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July 06, 2008

エチュード研究「タルレガ35のエチュード」 no.15

「タルレガ35のエチュード」 no.15です。

 6弦をDに下げて、D-A7-D-A7-Dのコード分解(アルペジオ)を基調にしたフレーズを弾く練習です。速く弾く必要はないので、正確に弾くことをこころがけます。

注意点:
 1. 6弦のチューニングを変えるので、音とポジションの関係が変わることを意識。
 2. 開放弦を利用した距離のあるポジション移動(左手!)を正確に。
 3. 右手は細かな弦の移動に対応できるかどうかが問われます。移動のミスはNG。タッチのコントロールができないのもNG。レガートに弾く。
 4. 左手のフォームが安定しているのは大前提です。

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July 05, 2008

「タンゴとギター 3」録音7/5

 1週間休んで録音再開しました。
 今日は、Flor de linoを録音。

 やっぱり1~2テイクめに録音したものが一番新鮮な感じに聴こえる。何度も演奏してると、演奏中に余計なことを考えはじめてしまって集中できなくなってくるのがよくないんですね。これは、ある程度仕方ないのかもしれない。だから、1発で決められるように準備しなきゃいけないんですね。

 

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July 04, 2008

ギター教室 329

 ギター教室の話題。

 基礎が重要だという話は、どんな世界でもその道の達人は必ず言うことです。
 
 基礎の重要性は、その技術を連結して実際に演奏していかないと実感しにくいことです。基礎は大事だが、それはそれとして実際に演奏することはもっと大事なのです。そうしないと、基礎の重要性も一生わからないまま中途半端な演奏を繰り返す循環から抜けられなくなります。

 演奏がうまくいかないのは、技術が足りないからです。ほとんどの場合、それは基礎技術の範疇です。根本的な解決をして、「技術に不安はない」というところまでいきたいのであれば、追求すべきですね。
 
 しかし、、、基礎練習ってみんなちゃんとやってるのかなあ?得意なことを何回やっても意味ないですよ。ミスするのは不得意なところなんだから。

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July 02, 2008

エチュード研究「タルレガ35のエチュード」 no.14

「タルレガ35のエチュード」 no.14は、no.7、no.8同様、ディミニッシュコードの分解の練習です。音そのものはそういうわけでパターンですので、簡単です。

 弦がかわるとき、1フレットずつポジション移動するのはしゃくとりむしのように左手を使えばうまくいきます。柔軟な左手が要求されるところです。
 最後は、1弦だけをつたって最高音までいきますので、ポジション移動の技術が必要です。

 ノーミスで弾けるまで練習しましょう。弾けない場合は、基礎練習にもどるべきです。

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エチュード研究「タルレガ35のエチュード」 no.13

「タルレガ35のエチュード」 no.13について。

 前半と後半にわかれていますが、ずーっと左手はセーハしっぱなしという指定です。
 しかし、「右手のバランスを訓練する課題」という目的に限定するならば、左手は指使いを工夫すると、一切セーハしなくても演奏できることがわかります。だから、セーハしないで弾く工夫をまずしてみましょう。
 
 そうすると、セーハを使うにしても、実際にセーハをしなくてはいけない箇所は、一部であることもわかります。ほとんど通常の押さえ方でいけます。その線でいくと、自在にセーハしたり起き上がったりできるフォームを作るために役立てることもできる練習曲ともいえます。

 もちろん、この程度のわずかな演奏時間であれば、ずっとセーハしていても楽に乗り切れる筋力はあったほうがいいのですが、合理的なセーハの仕方を知らない人が、力任せにがんばるような弾きかたを身につけても結局実用的ではないので、よく考えて合理的な奏法を身につけるために計算して使用するのがよろしいと思います。

 まずは、美しく普通に音楽になるように弾けるのが大前提です。そのためには、がんばらずに弾ける工夫が必要です。

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July 01, 2008

ギター教室 328

 ギター教室の話題。

 ノリ(フレーズのもつリズム)の本質は、譜面にあらわせない音の長さの細かな組み合わせです。自分の演奏でどこかノリがおかしい、という場合、まずそこをチェックしましょう。
 アクセントとノリ(リズム)には関係があり、アクセント表現の本質は音の長さのコントロールです。
 音の強さもアクセントの表現には重要な要素ですが、アクセントをつけようと思うあまり、強く弾くだけになってしまうのは本末転倒です。ノリの本質的な改善になっていないからです。
 つまり、とても小さい音で弾いたとしてもノリが出せれば合格です。音の長さのコントロールで勝負できていることになるからです。

 技術的には、「小さい音をコントロール」できる右手の基礎技術が必要です。
 小さい音だと「カスっ」となってしまい、大きい音だと「バシャっ」というような音になってしまうのではいけませんね。
 こういう基礎ができてないと、ノリの変さに気付きにくく改善する方向も探しにくいということになるので、ぜひ、右手の基礎はしっかり作りましょう。基礎ができてる人は上達が速いというのはこういうところにもあります。

 


 

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